天皇家が東京で伊勢神宮を拝むために建てられた遥拝殿でもあり、東京のお伊勢様と呼ばれ親しまれています。格式の高い東京大神宮は「東京五社」のひとつでもあります。
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東京大神宮の御由緒と御利益
明治の新国家が誕生し、明治天皇の御裁断により、伊勢神宮の東京における遥拝殿(ようはいでん)として(遥拝殿とは伊勢神宮への直接参拝と同じ効果を生む建物のこと)
明治13年に日比谷に創建されたのが東京大神宮のはじまりです。日比谷の地に鎮座していたころは地名に由来して「日比谷大神宮」と呼ばれていました。
大正12年の関東大震災の影響で社殿が焼失。震災から5年後、現在の地である飯田橋に再建されました。
以降は「飯田橋大神宮」と呼ばれ、戦後「東京大神宮」と社名を改め現在に至ります。
伊勢神宮への参拝は生涯かけての願いであり、古くからあつい信仰を受けていたお伊勢参りが
東京に居ながらお参りができるようになり、東京のお伊勢様として親しまれています。
縁結び・家内安全・厄除開運・交通安全・学業成就・商売繁盛など、さまざまな御利益があります。
伊勢神宮と東京大神宮のお参り方法を御利益から考える
産土神(うぶすながみ)産土とは生まれた土地という意味でその土地を守護してくれる神さまのこと。
氏神(うじがみ)とは古代社会において血縁的な関係にあった一族がお祀りした神様のこと。(一族の祖先神また守護神)
今では産土神が氏神といわれるようになり、双方の判別がつきにくくなっています。
産土神様や氏神様は日常を見守ってくれる神様という位置づけで普段から参拝して近況を報告することが大切です。神様とお近づきになる事でお守り導いてくれます。
お願いごとや御利益をいただきたいことは、産土神様や氏神様の神社に日々御挨拶でお伝えして、伊勢神宮でお祀りされている天照大御神は、全国各地の八百万の神々の代表と言われるような神様なので、伊勢神宮は感謝を伝えるところ。といわれています。
東京大神宮でご挨拶をさせいただき、時期が整った際は伊勢神宮にご挨拶に参ります。というような気持ちで、参拝されると、日頃の感謝や決意を繋いでくれます。伊勢神宮に行かれた際は、荒御魂の宮で、自分の決意をお伝えしましょう。
東京大神宮には倭比賣命(やまとひめのみこと)や造化三神(ぞうかさんしん)もお祀りされています。造化三神はむすびの神々なので何かを創造することに関しての御利益もいただけ、お願い事もできます。
東京大神宮で見つけた。猪目(いのめ)の御利益とは
神社内でみられるハートマーク。これは「猪の目」とよばれ、火除け、魔除けの為に使われており、イノシシの目をかたどった伝統的な形です。
(猪の目がハート形ににていることから)
魔除けの由来は古来より猪をはじめとした獣の目力には魔除けの力があると信じられてきました。
古くは古墳時代の遺跡、遺物にもみられます。火除けの由来は五行説に基づいています。
五行とは自然を5つの属性に分ける考え方で【木・火・土・金・水】(もっかどこんすい)の五行。十二支の猪(亥)は五行では水の属性で火に克つということから火除けの象徴とされています。
東京大神宮から始まった!神前結婚式
東京大神宮は、神社の神前で結婚式を挙げる「神前結婚式」を日本ではじめて行った神社。
大正天皇が皇太子の時に皇居内の賢所(かしこどころ)のご神前で挙式が行われたことから、一般の人に向けた神前結婚式を創始しその後、普及していった。
縁結びの神社として有名になった理由にもなっている。
東京大神宮における縁結びの御利益について
東京大神宮は結びの働きをつかさどる「造化の三神」を祀っているので、縁結び、恋愛成就の御利益が得られると有名な神社です。
縁結びや恋愛成就のお守りの数はなんと40種類以上あるそうです。
【上写真2段目中央】「縁結び鈴蘭守」(800円)
幸せが訪れるという花言葉を持つ鈴蘭の純白の花をかたどったお守りで縁結びのお守りの中でも人気があります。鈴蘭の中には鈴が入っていて自分と相手の心がひとつになれますように。
という願いが込められているそうです。お守りに付いている、東京大神宮の社紋が外れると恋が叶うとか。
【上写真2段目左】「こいし守」(800円)
宮城県石巻産の天然石、玄昌石が使用されています。
厄を払い幸せをもたらす霊力が宿るという効果がある石。恋しい思いが実を結ぶように祈りを込めたお守りです。
【上写真2段目右】「桜鈴」(600円)
桜の花をかたどった鈴。桜の花言葉は、優れた美人。
鈴の音色で災厄を祓い、心身ともに清らかで美しい人でいられるように、と願いがこめられています。
人気の3つのお守りをご紹介しましたが、公式HPでそれぞれのお守りが紹介されていますので、参拝前にチェックをおすすめします。
東京大神宮の御祭神
天照皇大神(あまてらすおおみかみ)
伊勢神宮の内宮(ないくう)の御祭神。日本国民の総氏神。
天照大神、天照皇大神、天照御魂神、天照大日孁貴、神明様、お伊勢様とも呼ばれます。
古事記によれば、伊邪那岐神(イザナギ)が黄泉国から逃げ帰って禊をした際、左目をすすいだときに天照大御神が生まれたとあります。
伊勢神宮においては、通常は天照大御神の他に天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、あるいは皇大御神(すめおおみかみ)と言い、神職が神前にて名を唱えるときは天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)と言います。
豊受大神(とようけのおおかみ)
伊勢神宮の外宮(げくう)の御祭神
『古事記』では伊邪那美命(いざなみ)から生まれた和久産巣日神(わくむすび)の子とし、天孫降臨の後、外宮の度相(わたらい)に鎮座したと記されている。神名の「ウケ」は食物のことで、食物・穀物を司る女神である。
伊勢神宮外宮の社伝『止由気宮儀式帳』では、雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比治の真奈井(ひじのまない)にいる御饌の神、等由気太神(とゆけおおかみ)を近くに呼び寄せなさい」と言われたので、外宮に祀るようになったとされている。
倭比賣命・倭姫命(やまとひめのみこと)
天照皇大神に仕え、その御心を人々に伝えた天照皇大神の御杖代(みつえしろ)〔1〕
※〔1〕御杖代とは神や天皇の杖代わりになって奉仕する人をいう。
伊勢神宮の斎宮になり、ヤマトタケルが熊襲征伐に向かう前に、女性ものの衣服を渡したといわれ、またヤマトタケルが東国征伐に行く際に伊勢神宮に訪れた時は草那芸剣(クサナギノツルギ)と火打石を渡したとされる。
第11代、垂仁(すいにん)天皇の皇女。
日本書紀によれば、天照皇大神を伊勢にまつり伊勢神宮の初代斎王(さいおう)となる。
倭姫命からのちは天照皇大神の奉仕のため、代々の天皇の未婚の皇女を伊勢に遣わした。〔2〕
※〔2〕この方々を斎王(さいおう)と呼びます。
倭姫命の大きなご功績を慕い、大正時代に皇大神宮別宮として倭姫命をお祀りするようになった。
造化の三神(ぞうかのさんしん)
天地万物の生成。結びの働きを司る造化の三神(そうかのさんしん)〔3〕が祀られていることから、御神徳は広大無辺なものがあります。
※〔3〕「造化の三神」とは、日本最古の歴史書である『古事記』に登場する、むすび=ムスヒ〔4〕を司る
三柱の神様です。性のない独神とされている。
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)・高御産巣日神(たかみむすひのかみ)・神産巣日神(たかみむすびのかみ)のこと
※〔4〕ムスヒとは産霊は神道の大事な概念とされています。産(ムス)には生み出す。霊(ヒ)には神霊の神秘的な働きという意味があります。結びつくことにより神霊の力がうみだされること。
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
日本神話の天地開闢において登場する神。
神名は、天とは宇宙のこと。主とは真つかさどるもの 宇宙の中央にいて支配する神という意味となります。
天之御中主神は宇宙の根源、宇宙そのもので、ありとあらゆるところに満ちていて、神々に指令を出し、宇宙を操っている至上神とされる。
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
天之御中主神(あめのみなかぬし)の次に神産巣日神(かみむすびのかみ)と共に高天原に出現したとされるのが高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
高(たか)は高いの意味。高所から降臨するという特徴に基づいている。子に思金神(おもいかね)、万幡豊秋津師比売命(よろずばたとよあきつしひめ)がいる。
古事記では天照大御神(あまてらすおおみかみ)の子、天忍穂耳命(あめのおしほみみ)が、高御産巣日神の娘、万幡豊秋津師比売命と結婚して生まれたのが天孫邇邇芸命(ににぎのみこと)です。高御産巣日神は天孫邇邇芸命の外祖父となります。
神武天皇東征神話では 神剣で神武天皇の危機を救い、八咫烏を派遣し大和に導かせるなど記述がある。
神産巣日神(かみむすひのかみ)
古事記では、少名毘古那神(すくなびこなのかみ)は神産巣日神の子である。
『古事記』で語られる神産巣日神は高天原に座して出雲系の神々を援助する祖神的存在であるといわれている。
須佐之男命(うさのおのみこと)が大気都比売神(おおげつひめのかみ)を殺したとき、死体から五穀が生まれ、これを神産巣日神が回収したとされている。
まとめ
東京大神宮は飯田橋駅が最寄り駅となります。多くの電車が行き交う駅なので、駅の出口や、駅からのルートが、ちょっとわかりずらいです。
JR飯田橋駅からは西口の出口から。東京メトロの飯田橋駅からはB2a出口からが個人的にはわかりやすいと思いますが、様々な方向からアクセスできるのでスマホの地図アプリで確認されることをお勧めします。
都心に位置し訪問しやすいので何度か参拝していますが、縁結びの御利益があり最強パワースポットといわれるだけに、いつも若い女性がひっきりなしに訪れている印象があります。縁結びに関係するお守り、絵馬、おみくじの多さにはびっくりします。
歴史、格式、御利益のどれ一つをとっても最強の所以が東京大神宮にはあります。むすびの神である造化の三神の御神徳には計り知れないパワーを感じます。そして、日本民族の皇祖神であります、天照皇大神もお祀りしています。
家庭にある神棚に必ずおまつりしている、天照皇大神の名が入った神宮大麻(じんぐうたいま)は伊勢神宮で1月中旬ころから奉製され、さまざまなお祭りを経て、全国各地の神社に届けられて十月から頒布が始まります。
神宮大麻と氏神様のお神札を神棚におまつりして拝むという、日本人の大切な習慣。八百万(やおろず)の神様を信仰し自然と共に生きてきた日本人の心の在り方を大切にしたいと思い出させてくれました。
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